情報漏洩 ― 2025年02月24日

斎藤知事に関する疑惑告発文書をめぐり、日本維新の会の兵庫県議3人が、NHK党の立花孝志氏に真偽不明の文書や音声データを提供した問題で、3人は23日、神戸市で記者会見を開いた。 会見は5時間半に及び、マスメディアやネットメディア、フリージャーナリストら50人以上が参加した。岸口氏は冒頭、「県民に迷惑をかけた」と謝罪しつつ、「(立花氏との)面会は軽率だったが、文書の作成者は不明」と釈明。他の2人も情報提供を認めて謝罪したが、増山氏は「立花氏がデマを流したとは認識していない」とし、情報提供の正当性を主張した。さらに、「県民が重要な情報を知らずに選挙に突入する危機感があった」と公益性を強調。音声データの漏洩については「百条委員として真実を追求することと、県民に情報を伝えることの両方の使命がある」と弁明した。白井氏も「自身の発信では広がらなかったため、影響力のある立花氏に頼った」と説明した。また、会見では「オールドメディア」批判も展開され、「報道が不公正」「知事だけが悪者にされている」との主張が繰り返された。増山氏は「立花氏の情報発信が原因で竹内英明元県議が死亡したとは確信できない」と述べたが、「情報提供時にこれほど問題が大きくなるとは思わなかった」とも語った。この記者会見の実施を知った多くの人は、情報漏洩した議員らがつるし上げられる場になると予想しただろう。しかし、結果的には「正しい報道とは何か」を問う場となった。
情報漏洩という言葉には否定的な響きがあるが、その情報が誰の利益になるかによって、善悪の判断は変わる。報道の自由は「報道しない自由」も内包する。しかし、正しい情報がなければ主権者は適切な判断を下せず、誤った情報が流れれば主権者の利益が損なわれる。とりわけ、議会情報は有権者に提供されるべきものであり、百条委員会は地方自治体の透明性を高めるためのものである以上、本来は非公開とすべきではない。今回の件では「プライバシー問題」が指摘されたが、それならば百条委員会が取り上げるべきではなかった。そもそも、告発者のプライバシーを尊重した第三者委員会が7月の段階で告発内容を否定している。議会はまず第三者委員会の報告を待ち、その結果を踏まえて百条委員会の設置の是非を判断すべきだった。しかし、百条委員会は告発者を証人として招聘し、結果として告発者の自死を招いた。この一連の経過を見ると、県庁内の権力闘争に議会が巻き込まれた構図が浮かび上がる。そして、その状況に「おねだり情報」をばらまいた議員とテレビ報道が油を注いだ。この真偽不明な情報をリークし、報道した人々のほうが、はるかに大きな問題を引き起こしたのではないか。 すでに斎藤知事は圧倒的な県民の支持を得て再選している。多くの人を傷つけ、議会の信頼を失わせた原因を作ったのは百条委員会であり、議会はその責任を取り解散すべきではないだろうか。
情報漏洩という言葉には否定的な響きがあるが、その情報が誰の利益になるかによって、善悪の判断は変わる。報道の自由は「報道しない自由」も内包する。しかし、正しい情報がなければ主権者は適切な判断を下せず、誤った情報が流れれば主権者の利益が損なわれる。とりわけ、議会情報は有権者に提供されるべきものであり、百条委員会は地方自治体の透明性を高めるためのものである以上、本来は非公開とすべきではない。今回の件では「プライバシー問題」が指摘されたが、それならば百条委員会が取り上げるべきではなかった。そもそも、告発者のプライバシーを尊重した第三者委員会が7月の段階で告発内容を否定している。議会はまず第三者委員会の報告を待ち、その結果を踏まえて百条委員会の設置の是非を判断すべきだった。しかし、百条委員会は告発者を証人として招聘し、結果として告発者の自死を招いた。この一連の経過を見ると、県庁内の権力闘争に議会が巻き込まれた構図が浮かび上がる。そして、その状況に「おねだり情報」をばらまいた議員とテレビ報道が油を注いだ。この真偽不明な情報をリークし、報道した人々のほうが、はるかに大きな問題を引き起こしたのではないか。 すでに斎藤知事は圧倒的な県民の支持を得て再選している。多くの人を傷つけ、議会の信頼を失わせた原因を作ったのは百条委員会であり、議会はその責任を取り解散すべきではないだろうか。