小惑星「2024 YR4」2025年02月26日

小惑星「2024 YR4」
小惑星「2024 YR4」は、2032年に地球に衝突する可能性が指摘されていたが、NASAは最新の観測に基づき、衝突確率が0.004%まで低下し「重大な脅威ではなくなった」と発表した。ただし、月に衝突する確率は1.7%残っている。この小惑星は2023年12月にチリの望遠鏡で発見され、直径40~90メートルで、地球に落下すれば約50キロ圏内に被害が及ぶ可能性があった。観測が進むにつれ、地球衝突の確率は一時3.1%まで上昇したが、その後の精密計算により衝突はほぼ否定された。NASAは2032年以降も地球への衝突リスクは極めて低いとみている。過去に地球に衝突した有名な隕石の例として、約6600万年前にメキシコ・ユカタン半島に落下したチクシュルーブ隕石がある。これは恐竜を含む多くの生物の絶滅を引き起こしたとされる。また、1908年にはロシア・シベリア地方にツングースカ隕石が落下し、広島原爆の約1000倍のエネルギーを放出して広範囲の森林を破壊した。さらに、約5万年前にはアメリカ・アリゾナ州にバリンジャー隕石が衝突し、直径約1.2キロメートル、深さ約170メートルのクレーターを形成した。これらの隕石衝突は地球の歴史に大きな影響を与えた。今回の「2024 YR4」のような直径40~90メートルの小惑星が落下した場合、落下地点によっては局地的な大災害を引き起こす可能性があるが、地球規模の影響は限定的と考えられている。

隕石衝突を題材にした映画として、1998年公開の『アルマゲドン (Armageddon)』と『ディープ・インパクト (Deep Impact)』がある。『アルマゲドン』では、巨大隕石の衝突を防ぐため、石油掘削の専門家たちが宇宙に送り込まれる。一方、『ディープ・インパクト』では、巨大彗星の衝突を阻止しようとするものの、最終的に小さな破片が地球に落下し、世界規模の災害が発生する。映画では隕石を破壊することで危機を回避しようとするが、破片が地球に降り注ぐ可能性があり、現実的な解決策としては課題が多い。実際、NASAは「DARTミッション」により、小惑星の軌道を変える技術の実験を行っているが、宇宙規模の自然現象に対して人類がどこまで対抗できるかは不透明だ。なお、小惑星「2024 YR4」は7年後に地球へ最接近するが、肉眼での観測は難しいとされる。幸い、その姿を目にする機会はなさそうだ。

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