6888郵便大隊 ― 2024年12月24日
今月のNetflixも興味深い作品が多く封切されている。前回は50年前のイギリスを舞台に世界初の体外受精の舞台裏を題材にした作品「JOY」で、英国でも半世紀前までは女性研究者が差別され最近ようやく功績が称えられるようになったという話だった。今回は第二次世界大戦中の黒人女性兵士部隊の物語。アメリカ陸軍婦人部隊所属の有色人種女性から成る部隊が、海外での任務を命じられる。チャリティー・アダムズ大尉(ケリー・ワシントン)率いる郵便管理大隊は、人種差別や性差別、過酷な労働環境などを乗り越え、誇りを胸に戦地に希望を届け、やっと最近その功績が米国で称えられたという話。戦争映画というよりは黒人差別がテーマの映画だが、祖国の肉親と戦地の兵士に手紙を届けることが、国民を奮い立たせる重要な役割を果たしていることが理解できる。黒人女性部隊が劣悪な環境の中で郵便物を仕分けるシーンがほとんどで地味な映画だが、黒人大尉の一言一言が染みる。
アメリカ人は兵役を通じて市民権を拡大し公民権を推進してきた。その結果、兵役はアメリカ国民を統合し、アメリカ人であることの意味を再定義することにも結び付いている。第6888郵便大隊は、第二次世界大戦中に海外へ派遣された最初で唯一の黒人女性のみで構成された部隊である。彼女たちは、ヨーロッパ戦域に駐留する約7万人の軍人に対する郵便物を仕分けし、配達するという困難な任務を遂行した。この部隊の行動は、他の何千人もの黒人女性陸軍部隊員(WAC)とともに、連合国の勝利に大きく貢献した。同じく陸軍で貢献した日系2世の第442連隊戦闘団の貢献にも言えるが、アメリカ人は戦争を通じて人種の軋轢を解決してきたことが良くわかる。とはいえ、6888郵便大隊の彼女らの貢献が正式に称えられ議会名誉黄金勲章が授与されたのは今年の3月で80年の時を待つことになる。いかにも民主国家アメリカを描いた映画だが、戦争が人種差別を拡大する場合もある。ロシアに派遣された北朝鮮兵士のウクライナ侵略部隊が憎まれることはあっても称えられることは永遠にない。願わくば戦争のない世界をとイブの夜に祈りをささげる。
アメリカ人は兵役を通じて市民権を拡大し公民権を推進してきた。その結果、兵役はアメリカ国民を統合し、アメリカ人であることの意味を再定義することにも結び付いている。第6888郵便大隊は、第二次世界大戦中に海外へ派遣された最初で唯一の黒人女性のみで構成された部隊である。彼女たちは、ヨーロッパ戦域に駐留する約7万人の軍人に対する郵便物を仕分けし、配達するという困難な任務を遂行した。この部隊の行動は、他の何千人もの黒人女性陸軍部隊員(WAC)とともに、連合国の勝利に大きく貢献した。同じく陸軍で貢献した日系2世の第442連隊戦闘団の貢献にも言えるが、アメリカ人は戦争を通じて人種の軋轢を解決してきたことが良くわかる。とはいえ、6888郵便大隊の彼女らの貢献が正式に称えられ議会名誉黄金勲章が授与されたのは今年の3月で80年の時を待つことになる。いかにも民主国家アメリカを描いた映画だが、戦争が人種差別を拡大する場合もある。ロシアに派遣された北朝鮮兵士のウクライナ侵略部隊が憎まれることはあっても称えられることは永遠にない。願わくば戦争のない世界をとイブの夜に祈りをささげる。