室町無頼 ― 2025年01月16日
垣根涼介の時代小説を実写映画化した戦国アクション作品。大泉洋が主演し、入江悠が監督・脚本を担当。物語は1461年、応仁の乱直前の京が舞台。大飢饉や疫病が蔓延し、無能な権力者が享楽にふける中、自由人・蓮田兵衛(大泉洋)は倒幕と世直しを企てる。孤独な青年・才蔵(長尾謙杜)は兵衛に見出され、鍛えられて彼の仲間に。集まった「無頼」=「定職を持たず無法な行いをする人」たちは幕府に反旗を翻すが、兵衛の旧友で幕府軍を率いる骨皮道賢(堤真一)と対峙する。大泉が本格的な殺陣に挑戦し、剣の達人を熱演。堤や柄本明、北村一輝らが共演し、迫力あるアクションドラマという前評判で評価も高い作品。だがコミカルキャラの大泉が一揆を先導するリーダーというキャラクターに無理があった。ここは定番の中井貴一か内野聖陽にすれば安定感が出たとも思う。
青年・才蔵役の長尾謙杜は良く知らないが。アイドルグループからの転身俳優の中では演技が優れない。この映画は才蔵の成長を描くので余計に目立つ。ただチャンバラの殺陣は素晴らしく相当訓練したようだ。一揆シーンの屋根を飛び移るワイヤーアクションさえなければ完璧だった。もっともこれはアクション担当とVFX編集者の責任だ。殺陣場面の音楽もマカロニウエスタン風でマッチしていない。監督の好みだとすればそもそも応仁の乱の時代背景が理解されていないのではないかと勘繰ってしまう。脚本が単純すぎて面白みのある伏線回収がないのもつまらない。権力者側をもう少し深く描けば面白くなるのに、将軍役の中村蒼と大名役北村一輝のバカっぷりだけが浮いてしまって話が軽くなりすぎた。映画は評価星の数だけで見てはならぬと昨年反省したのに同じことを繰り返している。
青年・才蔵役の長尾謙杜は良く知らないが。アイドルグループからの転身俳優の中では演技が優れない。この映画は才蔵の成長を描くので余計に目立つ。ただチャンバラの殺陣は素晴らしく相当訓練したようだ。一揆シーンの屋根を飛び移るワイヤーアクションさえなければ完璧だった。もっともこれはアクション担当とVFX編集者の責任だ。殺陣場面の音楽もマカロニウエスタン風でマッチしていない。監督の好みだとすればそもそも応仁の乱の時代背景が理解されていないのではないかと勘繰ってしまう。脚本が単純すぎて面白みのある伏線回収がないのもつまらない。権力者側をもう少し深く描けば面白くなるのに、将軍役の中村蒼と大名役北村一輝のバカっぷりだけが浮いてしまって話が軽くなりすぎた。映画は評価星の数だけで見てはならぬと昨年反省したのに同じことを繰り返している。