バードストライク? ― 2024年12月30日
韓国の務安国際空港で29日に発生した旅客機事故は、バードストライクが原因で着陸時にランディングギアが故障し、減速できなかったという。事故機は胴体着陸後、ほとんど速度を落とさず滑走路を進み壁に激突し、炎上した。専門家によれば、鳥類がエンジンに衝突するとエンジンが故障し、油圧システムに影響を与える場合があるというが、片方のエンジンが無事であればランディングギアは動かせるため、システム全体の故障原因は未解明である。さらに、エンジン逆噴射やスポイラーなどの減速手段も機能しなかった模様であり、事故機には以前から何らかの問題があった可能性がある。また、滑走路の長さが十分ではなかった可能性も取り沙汰されているが、国土交通省幹部は滑走路の長さが直接の原因とは考えにくいと述べているという。25日に発生したアゼルバイジャン航空の事故が、ロシアの地対空ミサイルの誤射で墜落したばかりだが、この時も第一報での事故原因はバードストライクだった。治安のやばい国では墜落原因をバードストライクと発表する慣習があるのかと勘繰ってしまう。
バードストライクによる墜落事故は2009年のUSエアウェイズ航空機事故が有名で「ハドソン川の奇跡」として映画にもなった。ただこの場合は両エンジンをバードストライクで失う事故だった。かなり前では1960年にボストンのローガン国際空港で離陸直後に鳥の群れと衝突し、両エンジンが故障し62人の乗客と乗員が死亡した事故があるが、それ以来死亡事故に至る墜落事故は見つけられなかった。バードストライクは日本でも毎年1000件を超えて生じているが大事故には結びついていない。60年以上死亡事故は起こらず15年間両エンジンを失う墜落事故がないのに、アゼルバイジャンも韓国も航空当局が安易に墜落原因をバードストライクと推測にせよ当局が発表する辺りに胡散臭さを感じる。原因はもっと重大なところにあると推測できるからこそ非難をかわすために鳥や滑走路長のせいにしている感がぬぐえない。蛇足ではあるが日本には務安より短い2700m未満の滑走路が伊丹国際空港をはじめ12空港もあるが、2000m以上の滑走路ではオーバーランの事故もない。
バードストライクによる墜落事故は2009年のUSエアウェイズ航空機事故が有名で「ハドソン川の奇跡」として映画にもなった。ただこの場合は両エンジンをバードストライクで失う事故だった。かなり前では1960年にボストンのローガン国際空港で離陸直後に鳥の群れと衝突し、両エンジンが故障し62人の乗客と乗員が死亡した事故があるが、それ以来死亡事故に至る墜落事故は見つけられなかった。バードストライクは日本でも毎年1000件を超えて生じているが大事故には結びついていない。60年以上死亡事故は起こらず15年間両エンジンを失う墜落事故がないのに、アゼルバイジャンも韓国も航空当局が安易に墜落原因をバードストライクと推測にせよ当局が発表する辺りに胡散臭さを感じる。原因はもっと重大なところにあると推測できるからこそ非難をかわすために鳥や滑走路長のせいにしている感がぬぐえない。蛇足ではあるが日本には務安より短い2700m未満の滑走路が伊丹国際空港をはじめ12空港もあるが、2000m以上の滑走路ではオーバーランの事故もない。