三菱UFJ銀行貸金庫事件2024年12月31日

三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行の元女性行員が、東京都内の貸金庫から顧客の金品を繰り返し盗んでいた問題が明らかになった。元行員は盗んだ金塊などを都内の買取店で売却し、その現金を投資に利用していたとみられる。彼女は2020年4月から練馬と玉川の2支店で貸金庫を管理しており、予備鍵を不正利用して盗難を行っていた疑いがある。この問題は2024年10月31日に発覚し、元行員は11月に懲戒解雇処分を受けた。当初、同行は被害者数を約60人、被害総額を時価十数億円と発表していたが、その後、被害の申し出が増加しており、被害規模がさらに拡大する可能性がある。同行は再発防止策として、予備鍵の一括管理や複数人でのチェック体制を整える方針を示している。この事態を受け、金融庁は銀行法に基づき同行に報告を求めた。同行の頭取は「信頼を損ねたことを深く反省している」と述べ、現在、被害を受けた顧客への弁済が進められている。顧客の資産を守るべき銀行で、行員自身が泥棒となるという漫画のような事件である。漫画やドラマでは、行員が盗難事件の片棒を担ぎ、金庫の鍵を持ち出したり端末を使って不正送金を行う場面がよく描かれるが、実際に行員による犯罪は発生頻度が決して低くないため驚かされる。

ここ20年ほどを見ると、1998年には住友信託銀行で顧客の口座から不正送金を行い、数億円を横領した。2006年には福岡銀行で偽造書類を使い、顧客の定期預金から1億円以上を横領した。2013年にはみずほ銀行で顧客名義のローンを悪用し、不正に融資金を引き出した。2014年には三井住友銀行の元行員が偽造書類を使用して顧客口座から数千万円を不正送金した。2017年にはみずほ銀行の元行員が貸金庫を管理する立場を悪用し、顧客の貴重品を盗んだ。2018年には大阪のりそな銀行の元行員が顧客の預金から約2億円を横領した。2019年には中国銀行の元行員が顧客の貸金庫から金塊や現金を盗むなどの事件が発生した。事件が起こるたびに、チェック体制を見直すなどと幹部が謝罪しているが、改善の成果は全く見られない。金持ちの資産を狙っているため、庶民には直接影響がないことから追及も弱くなっているのかもしれない。しかし、1万円預けても1年で10円程度の利子しかないのに、銀行幹部らの年収はこの10年で倍額になり、UFJの執行役は年収1億2千万円以上と言われている。不祥事を起こしてもトカゲの尻尾切りで、幹部は痛くもかゆくもないという現状のままで、行員の不正がなくなるはずもない。

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