マイナ保険証の病院利用率 ― 2025年01月29日
立憲民主党は、昨年に廃止された従来型の健康保険証の発行を復活させる法案を衆議院に提出した。これは、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」の利用率が25%と低迷しており、国民の不安を解消することを目的としている。これに対し、平将明デジタル大臣は「大きな方針転換は不要」と述べ、現行制度の継続を強調した。立憲民主党の法案は、健康保険証の発行再開と安全な利用環境の整備を求め、廃止時期の再検討を提案している。同党の議員は、医療情報のデジタル化そのものには否定的でないとしつつも、世論調査で示される国民の不安を指摘。特に高齢者や障害者、介護施設入所者への対策が整うまで、従来型の健康保険証との併用を求めた。マイナ保険証は、2年前に河野太郎デジタル大臣(当時)が突然発表し、申請の急増とミスの多発を招いた経緯がある。平氏は「政府広報も不安解消に努めている」とし、進捗は順調だと強調した。しかし、「マイナ保険証の利用率」に関する報道には注意が必要である。マイナ保険証の利用率の母数は「オンライン資格確認利用件数」で、従来の保険証やマイナ保険証の利用件数が含まれる。つまり病院での利用率を示す。
だが、「利用率が25%と低迷」という表現は、国民の25%しかマイナ保険証を登録していないという誤解を生む可能性がある。実際の登録者数は8千万人弱で、国民の約63.5%に相当する。つまり、国民の6割がマイナ保険証を登録しているなら、今後の病院利用割合はその割合に近づいていくと考えるのが妥当だ。ただ、マイナ保険証を登録したからと言って病気でもないのに病院に行く人はいないのでタイムラグが生じるのは当たり前だ。立憲民主党の議員が国民登録率を提示しなかった理由は定かでないが、登録率に触れなかったのは意図的な印象を与える。12月段階で「25%利用率」だから国民に不安が広がっているというのはこじつけだしメディアの見出しもミスリードだ。特殊な事情を一般論にすり替えるのは反対派の常套手段だが、根拠となる数値は適切に提示すべきである。また、メディアも厚労省も政党発表を鵜呑みにせず正確な報道やコメントをしてほしい。
だが、「利用率が25%と低迷」という表現は、国民の25%しかマイナ保険証を登録していないという誤解を生む可能性がある。実際の登録者数は8千万人弱で、国民の約63.5%に相当する。つまり、国民の6割がマイナ保険証を登録しているなら、今後の病院利用割合はその割合に近づいていくと考えるのが妥当だ。ただ、マイナ保険証を登録したからと言って病気でもないのに病院に行く人はいないのでタイムラグが生じるのは当たり前だ。立憲民主党の議員が国民登録率を提示しなかった理由は定かでないが、登録率に触れなかったのは意図的な印象を与える。12月段階で「25%利用率」だから国民に不安が広がっているというのはこじつけだしメディアの見出しもミスリードだ。特殊な事情を一般論にすり替えるのは反対派の常套手段だが、根拠となる数値は適切に提示すべきである。また、メディアも厚労省も政党発表を鵜呑みにせず正確な報道やコメントをしてほしい。