Nスペ「わが娘を手放した日」 ― 2023年12月11日
NHKスペシャル「わが娘を手放した日 中国 “一人っ子政策”のその後」12月9日(土)を観た。「一人っ子政策」が長年実施された中国でわが娘を手放した親と、国際養子としてアメリカで暮らしながら生みの親を想う娘が21年ぶりに再会するドキュメンタリーだ。中国の一人っ子政策で娘を手放した親は多く、孤児院から海外に養子に出された子の数は15万人に及び、そのほとんどが女の子だったという。全体主義国家というのは理屈で考えればわかるようなことでも誰も正すことができない。中国は今頃になって生産人口の激減に気づいて多産を推奨する政策に変更したが、30年近くも一人っ子を推し進めるために多産に罰金を科して事実上の子捨てを認めてきた。子を捨てる中国と捨て子をもらい受ける欧米諸国の関係もおぞましいが、人でなしの為政者の下で親子の絆を引き裂かれても「誰も悪くない」と娘に言わせる編集の姿勢も恐ろしい。
中国広東州の貧しい親の暮らしとそこに走る高速列車との違和感が今の中国を物語る。なぜまっすぐに人権侵害と言わないのか、いえば中国側はロケを認めなかったことはわかるが、視聴者の感想は中国の体制に言い及ぶものは少なく心情的なものが多い。数年前まで中国で平気で行われていた国家的な人権蹂躙の話にしてはあまりにも扱いが軽すぎる。
中国広東州の貧しい親の暮らしとそこに走る高速列車との違和感が今の中国を物語る。なぜまっすぐに人権侵害と言わないのか、いえば中国側はロケを認めなかったことはわかるが、視聴者の感想は中国の体制に言い及ぶものは少なく心情的なものが多い。数年前まで中国で平気で行われていた国家的な人権蹂躙の話にしてはあまりにも扱いが軽すぎる。