ロス山火事 ― 2025年01月11日

米ロサンゼルスとその周辺で発生している山火事について、バイデン大統領は、安否不明者が多数存在し、死者が増加する可能性が高いとの見解を示した。また、被災地では略奪が多発しており、警察官や米軍兵士を増員して治安維持にあたっていると発表した。連邦緊急事態管理局(FEMA)は、状況が依然として非常に危険であり、今後数日の間に強風が再び発生する見込みがあると警告した。被害のさらなる拡大が懸念されるため、住民に対して地元当局の指示に従うよう求めている。バイデン大統領は、気候変動が現実の問題であると強調し、気候変動問題に懐疑的なトランプ政権へのけん制も行った。山火事は1月7日にロサンゼルス西部および北部近郊で発生し、強風により急速に拡大している。9日時点で死者は10人に達し、約15万3千人が避難命令を受けているが、避難者数はAP通信によると9日以降減少しているという。ロスの山火事は今に始まったわけではない。この半世紀ほどを見ても、10年に一度は大火災を起こしている。ただ、その規模が巨大化しており2020年にカリフォルニア州北部で発生した大規模な山火事では約4,168平方キロメートルを焼失した。ほぼ京都府全部が焼失したことになる。
山火事で放出する二酸化炭素量は1000平方キロメートルあたり1000万トン以上と言われる。この間ロス周辺では毎年火災を起こしているので10年間で1億トン以上の二酸化炭素が放出された計算になる。ところが、この火災を食い止める施策が不十分だと言われる。火災が起こるのは自然現象もあり防ぐことはできないが、最小限で食い止めるために最も効果的な施策は防火帯を作って延焼を防ぐことだ。ところが自然保護や景観保護の「リベラル派」の抵抗にあって思うように進まないらしい。全部が燃えてしまっては自然保護も景観保護もないだろうにと思う。リベラルの牙城州とも言われるカリフォルニアでは、山火事をすべて二酸化炭素の責任にして、目の前の防火対策に真摯に取り組めていないとも言われる。住宅地が森林に密接しているのも被害を大きくする原因で住宅地の開発計画そのものも問題視もされている。ロスではブラックマターを契機とする警官の削減で犯罪増加も不安視されている。火事場泥棒は我が国では江戸時代の話だがロスでは増えているというから目も当てられない。防火・防災・治安は自治の基本だ。これをおろそかにした地域は滅びていく。
山火事で放出する二酸化炭素量は1000平方キロメートルあたり1000万トン以上と言われる。この間ロス周辺では毎年火災を起こしているので10年間で1億トン以上の二酸化炭素が放出された計算になる。ところが、この火災を食い止める施策が不十分だと言われる。火災が起こるのは自然現象もあり防ぐことはできないが、最小限で食い止めるために最も効果的な施策は防火帯を作って延焼を防ぐことだ。ところが自然保護や景観保護の「リベラル派」の抵抗にあって思うように進まないらしい。全部が燃えてしまっては自然保護も景観保護もないだろうにと思う。リベラルの牙城州とも言われるカリフォルニアでは、山火事をすべて二酸化炭素の責任にして、目の前の防火対策に真摯に取り組めていないとも言われる。住宅地が森林に密接しているのも被害を大きくする原因で住宅地の開発計画そのものも問題視もされている。ロスではブラックマターを契機とする警官の削減で犯罪増加も不安視されている。火事場泥棒は我が国では江戸時代の話だがロスでは増えているというから目も当てられない。防火・防災・治安は自治の基本だ。これをおろそかにした地域は滅びていく。
ブラックボックス停止 ― 2025年01月12日

韓国旅客機事故について韓国国土交通省は、機体が滑走路外の構造物に衝突する約4分前に、フライトレコーダーとボイスレコーダーの記録が停止していたと発表。このため、事故調査が難航する可能性が指摘されている。事故機は救難信号を発信していたが、その前後の記録は残っておらず、記録停止の原因は調査中だという。フライトレコーダーは損傷が激しく、韓国での解析が難しいため、ボイスレコーダーとともに米国で解析が進められている。専門家は、バードストライクにより両エンジンが停止し機体の電源が落ちたことで記録が止まる可能性に言及。また、位置情報を伝えるシステムも救難信号発信直前から情報送信が途絶えており、電源喪失の可能性が高いとされる。このような状況から、調査委員会は事故原因究明を進めるが、電源系統の問題が重要な焦点となる見込みという。バードストライク墜落原因説は不自然でブラックボックスを調べればわかることだと叩かれるとブラックボックスが損傷していると発表をして、ブラックボックスは強靭だと反論されると今回はブラックボックスのレコーダーが停止していたという発表となる。やはりそう来たかというのが正直な感想だ。証拠を隠すような発表を繰り返しているようにしか思えない。機体が古かった説も出てきているが今回の機体は2009年製造のものでこの程度の機体は現役でいくらでも飛んでいる。
過去半世紀の墜落事故の公式発表でブラックボックスのレコーダーが故障していた事故は2013年の韓国アシアナ航空214便事故の1件だけだ。これは着陸前の機長らの会話が数秒間上書きされて消えたというもので、曲がりなりにも作動はしており停止したわけではない。今回は機体に搭載している場所も違うフライトレコーダーとボイスレコーダーの両方が4分前に同時に停止していたという。あり得ない事を、簡単に発表する韓国当局に感心してしまう。航空機の電源が4分前に全喪失したというのが当局のシナリオだろうが、航空機は何重にも安全対策が施されておりバックアップ電源もある。ブラックボックスは機体が失われる事故でも記録を残すために設置されているもので、通常電源を失っても予備バッテリーで独立作動するものだ。今回の当局発表が事実なら、ブラックボックスすらまともに点検されていない航空機だったという発表になる。これでは恐ろしくて韓国機には乗れない。韓国航空界が文字通りブラックボックスだと言われても仕方がない。
過去半世紀の墜落事故の公式発表でブラックボックスのレコーダーが故障していた事故は2013年の韓国アシアナ航空214便事故の1件だけだ。これは着陸前の機長らの会話が数秒間上書きされて消えたというもので、曲がりなりにも作動はしており停止したわけではない。今回は機体に搭載している場所も違うフライトレコーダーとボイスレコーダーの両方が4分前に同時に停止していたという。あり得ない事を、簡単に発表する韓国当局に感心してしまう。航空機の電源が4分前に全喪失したというのが当局のシナリオだろうが、航空機は何重にも安全対策が施されておりバックアップ電源もある。ブラックボックスは機体が失われる事故でも記録を残すために設置されているもので、通常電源を失っても予備バッテリーで独立作動するものだ。今回の当局発表が事実なら、ブラックボックスすらまともに点検されていない航空機だったという発表になる。これでは恐ろしくて韓国機には乗れない。韓国航空界が文字通りブラックボックスだと言われても仕方がない。
韓国与党支持率回復 ― 2025年01月13日

韓国で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が「非常戒厳」を宣布し、弾劾訴追された後、一部世論調査で支持率が40%に達し議論を呼んでいる。与党「国民の力」の支持率は34%に上昇し、野党「共に民主党」は36%に下落した。保守層の結束や、野党の政情不安を煽るような姿勢が中道層の離反を招いたと分析されている。一方、野党は昨年末、憲法裁判所判事の人事を巡り、大統領職務を代行していた韓悳洙(ハン・ドクス)首相も弾劾訴追し、職務停止に追い込んだ。また、野党議員が国会で「銃で撃たれても尹氏を拘束すべき」と発言し、物議を醸している。このような強硬姿勢が中道層からの支持を遠ざける要因となった。尹氏の弾劾を巡る政治的混乱が支持率に影響を与えている一方で、野党の行動や発言が分断を深める要因となっている。韓国は法治国家の着物を着ているだけで民主主義は危ういように思えてならない。ことの始まりは少数与党の予算や人事を野党が悉く反対して国政が成り立たないところまで追い込んだことにある。しかし、国会が一定期間内に法律を否決し続けると、大統領は国会を解散することができるのに、尹大統領は解散では与党の勝ち目がないとしたのか国政の対立を戒厳令で解消しようとした。議会は与党を含めて尹大統領を弾劾を議決したので憲法裁判所にその是非を問うているのが現段階だ。ところが野党は調子に乗って高位公職者犯罪捜査処(公捜処)を動かし尹氏の内乱罪の捜査を同時に進めようとしたので今回の事態を招いている。
そもそも公捜処は、文在寅(ムン・ジェイン)政権が、検察の歴代大統領起訴は政治的影響が強すぎるとして、検察の権限を分散するために設立したものだ。その結果、検察にも公捜処にもこれまでのように大統領を拘束する強大な捜査権限を失ったので、逆に尹氏側から非難をされる口実を与えたことになる。つまり今の野党が作った制度が今の野党の首を絞め国民を政争に巻き込んでいるともいえる。また、大統領代行の首相も年末に弾劾され、現在は崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相が大統領権限代行を務めているが、こうした野党の弾劾連発に対し国民の不安の高まりが今回の結果といえる。法は治安のためにあり、政争のために濫用してはならない。野党も与党も大統領も、法ものもとに正々堂々と選挙で決着させるのが法治国家のイロハである。
そもそも公捜処は、文在寅(ムン・ジェイン)政権が、検察の歴代大統領起訴は政治的影響が強すぎるとして、検察の権限を分散するために設立したものだ。その結果、検察にも公捜処にもこれまでのように大統領を拘束する強大な捜査権限を失ったので、逆に尹氏側から非難をされる口実を与えたことになる。つまり今の野党が作った制度が今の野党の首を絞め国民を政争に巻き込んでいるともいえる。また、大統領代行の首相も年末に弾劾され、現在は崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相が大統領権限代行を務めているが、こうした野党の弾劾連発に対し国民の不安の高まりが今回の結果といえる。法は治安のためにあり、政争のために濫用してはならない。野党も与党も大統領も、法ものもとに正々堂々と選挙で決着させるのが法治国家のイロハである。
1人あたりGDPは韓国が逆転 ― 2025年01月14日

内閣府が発表した2023年の国民経済計算によれば、日本の1人あたり名目GDPは3万3849ドルであり、前年の3万4112ドルから減少した。韓国(3万5563ドル)に逆転され、OECD加盟国中22位、G7中ではイタリアを下回り2年連続で最下位である。円安や高齢化による成長力の低下、労働生産性の低さが主な原因とされる。名目GDP総額は4兆2137億ドルであり、ドイツに初めて抜かれた。また、2024年には台湾にも1人あたり名目GDPで抜かれる見通しである。メディアは、日本の時間あたり労働生産性がOECD加盟国中29位と低いことを指摘し、デジタルトランスフォーメーション(DX)やリスキリングの推進が必要であると論じている。また、高齢化による労働力供給や家計所得向上の課題を挙げ、バブル世代の高齢化に伴う制度改革の必要性を示唆している。しかし、これらの議論には疑問もある。1人あたり名目GDPは名目GDPを人口で割る指標であるため、GDPが増加すれば人口が一定であれば自然に上昇する。同様に、労働生産性(GDP ÷ 総労働者数)もGDPの変化に左右されるため、「生産性が低いからGDPが伸びない」のか、「GDPが変わらないから生産性が伸びない」のかという鶏卵論争に陥りがちである。実際、40年前の日本のバブル期においても、生産性が特段高かったわけではない。
結局のところ、各国のGDP伸び率に符合する要因を探ることが重要である。その中で最も符合するデータは政府総支出の比較である。1997年を基準とした場合、2022年の日本の政府総支出は1.3倍にとどまり、アジア諸国の中で最も低い増加率である。一方、中国やインドは20倍以上、韓国は8.0倍に拡大し、G7諸国も2倍以上増加している。日本は「放漫財政」とされる一方で、実際には過度な緊縮財政を続けており、橋本政権以降、小泉・安倍政権を経ても政策の方向性は変わらなかった。景気が悪化すると民間の支出が減り、需要が縮小する。先進国では政府が支出を増やして経済を下支えするのが一般的である。しかし日本は、需要不足に対応せず、政府支出を増やさなかった結果、GDP、家計消費、平均年収、物価の伸び率が世界最低水準にとどまっている。つまり、日本の役人と政治家の失策が30年近くGDPや1人あたりGDP、労働生産性、個人所得を低迷させた主因である。それにもかかわらず、メディアは民間の努力不足ばかりを強調し、政府の引き締め経済政策の失敗を正面から取り上げない。政争ばかりを報じ、経済的失策を指摘しないメディアの責任も大きいと言わざるを得ない。
結局のところ、各国のGDP伸び率に符合する要因を探ることが重要である。その中で最も符合するデータは政府総支出の比較である。1997年を基準とした場合、2022年の日本の政府総支出は1.3倍にとどまり、アジア諸国の中で最も低い増加率である。一方、中国やインドは20倍以上、韓国は8.0倍に拡大し、G7諸国も2倍以上増加している。日本は「放漫財政」とされる一方で、実際には過度な緊縮財政を続けており、橋本政権以降、小泉・安倍政権を経ても政策の方向性は変わらなかった。景気が悪化すると民間の支出が減り、需要が縮小する。先進国では政府が支出を増やして経済を下支えするのが一般的である。しかし日本は、需要不足に対応せず、政府支出を増やさなかった結果、GDP、家計消費、平均年収、物価の伸び率が世界最低水準にとどまっている。つまり、日本の役人と政治家の失策が30年近くGDPや1人あたりGDP、労働生産性、個人所得を低迷させた主因である。それにもかかわらず、メディアは民間の努力不足ばかりを強調し、政府の引き締め経済政策の失敗を正面から取り上げない。政争ばかりを報じ、経済的失策を指摘しないメディアの責任も大きいと言わざるを得ない。
宿泊税の最高額を1万円 ― 2025年01月15日

京都市は、現行の宿泊税(1人1泊200~1,000円)の最高額を1万円に引き上げる案を発表。1泊10万円以上の宿泊に適用され、税収増を目指す。改正案は2024年2月の市議会で審議後、同意を得て2025年3月から施行予定。現行の3区分を5区分に変更し、最低税額200円を据え置く一方、1泊料金に応じ税額を段階的に引き上げる。税収は2023年度の約52億円から約126億円に増加見込み。オーバーツーリズム問題や観光の持続可能性を踏まえ、松井市長は「公平な負担」を強調。税収は景観保全や社会インフラ整備などに活用される予定。他自治体では定額制が主流だが、北海道俱知安町では2%定率制を採用している。夏の京都四条通は個々はどこの国かと見紛うほどの外国人だらけだ。祇園祭の路地も錦市場も足の踏み場もないほどの混雑ぶりだ。そもそも1000年以上前から同じ道幅のままで溢れに溢れた観光客を捌けるわけがない。市バスは観光客の謎のスーツケース(ホテルにおいて来いよ)で満員で主要路線では市民の足を奪っている。値上がりした食品も工芸品も観光客にしてみれば円安で母国の子供の小遣いほどの値段なので飛ぶように売れる。調子に乗った店舗は外国人価格で値段を吊り上げ日本人には手が出なくなってくる。小洒落た立ち飲みビヤカウンターで飲んだ地ビール1杯1500円には目をむいてしまう。
「堪忍しておくれやす」というのが京都人の正直な気持ちなので、宿泊税が1万になっても誰も文句は言わないだろう。ただ、その程度の値上げでオーバーツーリズムが改善されるわけがない。1泊10万円以上の宿に泊まる観光客はそもそもお金持ちで下々のゲストハウス利用の我々とは違う世界で生きている。京都で一人1泊10万円以上の宿といわれても柊家か俵屋くらいしか思いつかない。確か最高グレードで50万円ほどだと思う。あとは仁和寺の松林庵が100万円だったかと思うが宿泊人数は知れている。本当に観光客の数を減らそうとするなら航空機を下りた税関で滞在期間に応じて1泊5万円ほど課税すれば上客の外国人だけを招くことができるだろう。とにかく観光客が多すぎるのは何とかしてほしい。
「堪忍しておくれやす」というのが京都人の正直な気持ちなので、宿泊税が1万になっても誰も文句は言わないだろう。ただ、その程度の値上げでオーバーツーリズムが改善されるわけがない。1泊10万円以上の宿に泊まる観光客はそもそもお金持ちで下々のゲストハウス利用の我々とは違う世界で生きている。京都で一人1泊10万円以上の宿といわれても柊家か俵屋くらいしか思いつかない。確か最高グレードで50万円ほどだと思う。あとは仁和寺の松林庵が100万円だったかと思うが宿泊人数は知れている。本当に観光客の数を減らそうとするなら航空機を下りた税関で滞在期間に応じて1泊5万円ほど課税すれば上客の外国人だけを招くことができるだろう。とにかく観光客が多すぎるのは何とかしてほしい。
室町無頼 ― 2025年01月16日

垣根涼介の時代小説を実写映画化した戦国アクション作品。大泉洋が主演し、入江悠が監督・脚本を担当。物語は1461年、応仁の乱直前の京が舞台。大飢饉や疫病が蔓延し、無能な権力者が享楽にふける中、自由人・蓮田兵衛(大泉洋)は倒幕と世直しを企てる。孤独な青年・才蔵(長尾謙杜)は兵衛に見出され、鍛えられて彼の仲間に。集まった「無頼」=「定職を持たず無法な行いをする人」たちは幕府に反旗を翻すが、兵衛の旧友で幕府軍を率いる骨皮道賢(堤真一)と対峙する。大泉が本格的な殺陣に挑戦し、剣の達人を熱演。堤や柄本明、北村一輝らが共演し、迫力あるアクションドラマという前評判で評価も高い作品。だがコミカルキャラの大泉が一揆を先導するリーダーというキャラクターに無理があった。ここは定番の中井貴一か内野聖陽にすれば安定感が出たとも思う。
青年・才蔵役の長尾謙杜は良く知らないが。アイドルグループからの転身俳優の中では演技が優れない。この映画は才蔵の成長を描くので余計に目立つ。ただチャンバラの殺陣は素晴らしく相当訓練したようだ。一揆シーンの屋根を飛び移るワイヤーアクションさえなければ完璧だった。もっともこれはアクション担当とVFX編集者の責任だ。殺陣場面の音楽もマカロニウエスタン風でマッチしていない。監督の好みだとすればそもそも応仁の乱の時代背景が理解されていないのではないかと勘繰ってしまう。脚本が単純すぎて面白みのある伏線回収がないのもつまらない。権力者側をもう少し深く描けば面白くなるのに、将軍役の中村蒼と大名役北村一輝のバカっぷりだけが浮いてしまって話が軽くなりすぎた。映画は評価星の数だけで見てはならぬと昨年反省したのに同じことを繰り返している。
青年・才蔵役の長尾謙杜は良く知らないが。アイドルグループからの転身俳優の中では演技が優れない。この映画は才蔵の成長を描くので余計に目立つ。ただチャンバラの殺陣は素晴らしく相当訓練したようだ。一揆シーンの屋根を飛び移るワイヤーアクションさえなければ完璧だった。もっともこれはアクション担当とVFX編集者の責任だ。殺陣場面の音楽もマカロニウエスタン風でマッチしていない。監督の好みだとすればそもそも応仁の乱の時代背景が理解されていないのではないかと勘繰ってしまう。脚本が単純すぎて面白みのある伏線回収がないのもつまらない。権力者側をもう少し深く描けば面白くなるのに、将軍役の中村蒼と大名役北村一輝のバカっぷりだけが浮いてしまって話が軽くなりすぎた。映画は評価星の数だけで見てはならぬと昨年反省したのに同じことを繰り返している。
天狗の台所 ― 2025年01月17日

『天狗の台所』は田中相による2021年発表の漫画で、2023年にBS-TBSでドラマ化され、Netflixでも配信されている作品。ニューヨーク育ちの少年オンは、自分が天狗の末裔であると両親から知らされ、14歳の1年間を日本で兄・飯綱基と隠遁生活を送る。特別な力を持たない兄弟の生活は、素朴な日々や食を中心に進み、オンも次第に季節の暮らしを楽しむようになる。1年後、オンは地元の人々の前で基と舞を披露し、日本を去る。シーズン2では、オンが再び日本を訪れる。仕事中心の両親に不満を抱いたオンは、母のカードを使い夏休みに基と再会。オンは母からカードを止められ、帰国費用を自分で稼ぐよう命じられる。そして、オンの2度目の日本での田舎暮らしが描かれる。最近のドラマは癒し系が増えてきたように思う。青空と田園のゆったりした映像、細かな所作を描く料理、折坂悠太のけだるいテーマソングのどれも良い。筋書きは飯づくり中心の生活を淡々と丁寧に描くだけだがそこが良い。
天狗の末裔に関わる話や村人との交流はアクセント程度のものでうるさくない。オンと寡黙な基が自前で作る美味い飯を食するときの笑顔だけがうれしい。最近の食い物ドラマでは、孤独のグルメ、深夜食堂、下山飯などが人気だが天狗の台所は田舎暮らしの中で兄弟で作る飯というのが良い。描き方はリトルフォレストに似ているという評が多いが、映画ということもあって橋本愛がクローズアップされすぎて田舎暮らしが背景に回った感があるように覚えている。奇をてらったドラマ漬けでうんざりしている自分には一服の清涼となるドラマだった。
天狗の末裔に関わる話や村人との交流はアクセント程度のものでうるさくない。オンと寡黙な基が自前で作る美味い飯を食するときの笑顔だけがうれしい。最近の食い物ドラマでは、孤独のグルメ、深夜食堂、下山飯などが人気だが天狗の台所は田舎暮らしの中で兄弟で作る飯というのが良い。描き方はリトルフォレストに似ているという評が多いが、映画ということもあって橋本愛がクローズアップされすぎて田舎暮らしが背景に回った感があるように覚えている。奇をてらったドラマ漬けでうんざりしている自分には一服の清涼となるドラマだった。
ゴンカルベスCEO ― 2025年01月18日

米鉄鋼大手USスチールの買収を巡り、日本製鉄に競り負けた米クリーブランド・クリフスのゴンカルベスCEOは、13日の記者会見で日本批判を展開し、改めて買収への意欲を示した。クリフスは買収計画を再検討しているとし、詳細は明かさないものの、「米国一丸の解決策がある」と強調。一方で、日本を「邪悪だ」「中国以下だ」と非難し、中国にダンピングや過剰生産を教えたと主張。さらに、買収禁止を求めた日本の石破茂首相に怒りを向け、「日本は1945年以降何も学んでいない」と激しい口調で批判した。クリフスはUSスチール買収後、電炉大手ニューコアと提携し電炉部門を売却する計画を進め、反トラスト法への抵触を回避しようとしている。日鉄は141億ドルで買収を進めており、70億ドルのクリフス案を大きく上回る規模でUSスチール側も支持を表明。ゴンカルベス氏の発言に「同盟国日本への攻撃」と失望を示したという。「日本よ、気をつけろ。あなたたちは自分が何者か理解していない。1945年から何も学んでいない。私たちがいかに良心的で寛容かを学んでいない。我々の血を吸うのはやめろ、我々はアメリカ人だ。我々はアメリカ人を愛し、アメリカを愛している」というのはブラジル人のCEOの発言だが、アメリカ人の本音を聞いたような気がする。
未だに世界の認識は連合国の勝利で動いており、敵国日本はお呼びじゃないと言いたいわけだ。もちろんクリーブランド・クリフス社が日鉄の半値でUSスチールを買い、世界市場の中で自社の立場を優位にしたいのは言うまでもないがナショナリズムを味方にして中国以下だと罵る姿はアメリカの属国日本という認識を露わにした。確かに日本は中国に対して多くの技術と人材を投資してきてた。その結果、中国は米国に迫る生産力を持ち今や世界の覇権者となった。だが、それを言うならアップルもテスラも同じだ。このやり取りを見てほくそ笑んでいるのは中国だけだ。ブラジルはロシア、インド、中国、南アフリカで、先進国圏を相手に国際的な協力体「BRICS」を始動し2024年には、イラン、エジプト、エチオピア、アラブ首長国連邦が新たに加わり、現在では10か国が参加している。反米連合の出身者のどの口が言うのかと言いたくもなる。だがしかし、米国より先に中国と挨拶を交わす石破政権では心許ないと思うのも事実である。
未だに世界の認識は連合国の勝利で動いており、敵国日本はお呼びじゃないと言いたいわけだ。もちろんクリーブランド・クリフス社が日鉄の半値でUSスチールを買い、世界市場の中で自社の立場を優位にしたいのは言うまでもないがナショナリズムを味方にして中国以下だと罵る姿はアメリカの属国日本という認識を露わにした。確かに日本は中国に対して多くの技術と人材を投資してきてた。その結果、中国は米国に迫る生産力を持ち今や世界の覇権者となった。だが、それを言うならアップルもテスラも同じだ。このやり取りを見てほくそ笑んでいるのは中国だけだ。ブラジルはロシア、インド、中国、南アフリカで、先進国圏を相手に国際的な協力体「BRICS」を始動し2024年には、イラン、エジプト、エチオピア、アラブ首長国連邦が新たに加わり、現在では10か国が参加している。反米連合の出身者のどの口が言うのかと言いたくもなる。だがしかし、米国より先に中国と挨拶を交わす石破政権では心許ないと思うのも事実である。
シャワーの水圧 ― 2025年01月19日

混合水栓が壊れたので新調しシャワーヘッドも付属の新しいものに換えた。やはりシャワーは水圧がなければいけない。旅行先でも水圧の弱いシャワーだと浴びた気がせず帰宅してシャワーを浴びるとホッとする。一昨年、シャワーの水流を細かくしたウルトラファインバブルのシャワーヘッドに換えた。細かな水流なので皮膚の洗浄が向上し光熱費も安くなるというものだが、どうも水圧が弱くて不満だった。新しいものは水圧が強くシャワー範囲も広がったので気持ちが良い。水道代は上がるのかもしれないが風呂ぐらいは気持ちよく入りたい。光熱費で思い出したが12月分の電気代は3万円近くに跳ね上がり、ガス代も1万円でこれで水道代を合わせると光熱費だけで年金の2割を占めてしまう。政府補助が1カ月あけて1月から始まるらしいがわずか3カ月で終了という。シャワーの水圧分だけ光熱費が上がるかと冷や冷やしていては温まった体にも障りがある。
イスラエルとハマスの停戦合意で石油の価格が安定するというらしいが、今後も電気代が下がる見込みはなく再エネ賦課金がさらに上げられる可能性すらある。風呂ぐらい光熱費を気にせずに入りたいものだという庶民の気持ちは今の政府には届かぬようだ。
イスラエルとハマスの停戦合意で石油の価格が安定するというらしいが、今後も電気代が下がる見込みはなく再エネ賦課金がさらに上げられる可能性すらある。風呂ぐらい光熱費を気にせずに入りたいものだという庶民の気持ちは今の政府には届かぬようだ。
地震調査委員会は不要 ― 2025年01月20日

地震調査委員会は、マグニチュード8~9級の南海トラフ地震の30年以内の発生確率が昨年の「70~80%」から「80%程度」に上昇したとする長期評価を公表した。この確率は、想定された地震が起きない限り、経年で上昇する。南海トラフ地震は静岡県沖から宮崎県沖にかけてのプレート境界を震源とし、おおむね100~150年間隔で発生するものである。最近では1946年に昭和南海地震が発生している。確率が上がるのは当たり前だと思う一方「70~80%から80%程度に上昇」と数値を出されてもピンとこない。地震はいつ来てもおかしくないので危険だと言えば済む話である。1995年の阪神・淡路大震災は、「関西で地震は起きない」という誤った認識を打ち砕いた。この背景には、震災前の20年間で神戸の地震回数が圧倒的に少なかったことにある。震災後、「活断層」に関する研究が進み、地震発生確率の評価が可能となったわけだが、東北や熊本、能登半島と軒並み確率の低いところで大地震が起こり確率など何のあてにもならないことが露呈している。
南海トラフ地震は周期が100~150年で30年以内の発生確率が80%。活断層地震、たとえば大阪の南北を貫く「上町断層帯地震」の発生確率は30年以内で2~3%とされる。だが、低確率でも地震が発生する可能性を阪神淡路震災が示したわけだ。震災当時に活断層地震確率の手法があれば阪神・淡路大震災の確率は0.02~8%と見積もられたという。地震調査委員会で地震の仕組みや断層を観察することには学術上の意味はあるが、防災上はかえって邪魔な機構だ。地震確率マップはむしろ有害ですらある。日本は衝突しあうプレートと活断層の巣の上にあり、いつ大地震が来ても不思議ではないとアナウンスしておくのが防災上は有益だと思う。地震調査よりも防災計画に予算を割くべきだと思う。
南海トラフ地震は周期が100~150年で30年以内の発生確率が80%。活断層地震、たとえば大阪の南北を貫く「上町断層帯地震」の発生確率は30年以内で2~3%とされる。だが、低確率でも地震が発生する可能性を阪神淡路震災が示したわけだ。震災当時に活断層地震確率の手法があれば阪神・淡路大震災の確率は0.02~8%と見積もられたという。地震調査委員会で地震の仕組みや断層を観察することには学術上の意味はあるが、防災上はかえって邪魔な機構だ。地震確率マップはむしろ有害ですらある。日本は衝突しあうプレートと活断層の巣の上にあり、いつ大地震が来ても不思議ではないとアナウンスしておくのが防災上は有益だと思う。地震調査よりも防災計画に予算を割くべきだと思う。