スーパーカブ50生産終了2024年11月02日

カブ50
1958年に販売開始され、原付きバイク普及のきっかけとなった排気量50cc以下の「スーパーカブ」の生産が、来年5月をめどに終了することになった。排ガス規制強化に伴い、新たな投資でも採算が取れないと判断したためだ。配達や通勤・通学に利用され、生産台数は1億台を超えている。来年11月の排ガス規制強化を受け、ホンダは新エンジンの開発が難しく、市場の縮小もあり、原付きバイクの生産を来年10月までに終了する予定。スズキも同様に原付きバイクの生産終了を検討しており、電動バイクの販売を強化する方針という。カブの燃費はリッター100㎞超えで、普段使いでも50㎞は優に超える。タンクは4リットルなので自家用車並みの給油サイクルで済ませられた。満タンにしても700円程度で生活の足にしていた人は多い。何しろ故障も少ないしバッテリーが上がってもキックで始動できるので困ることがない。自分の年齢と同じ時代を通り抜けてきたカブが、狂気じみた排ガス規制の前に消えていくのは憤りすら感じる。

現在のカブ50は2016年度の規制をクリアするためにエンジン回りを調整した。一酸化炭素はこのままでも新基準をクリアできるが、窒素酸化物などの低減はエンジンを新開発しないと見通しがないらしい。カブを乗り回したのは学生時代に朝夕新聞配達した1年間だけだが、今でも排気ガスの匂いと貧乏学生が見た湿っぽい風景が蘇ってくる。日本では消えてしまう運命だが、頑丈なスーパーカブはアジアでは当分走り回っているはずだ。
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