6人の女 ワケアリなわたしたち ― 2024年06月04日

今回もフランスTVドラマが良い。がんサバイバーの女性たちが友人の弔い登山に行く話。原作名は Les Randonneuses=ハイカーたち という他愛もないタイトル。6人の女性のワケアリについて登山途中に毎回明かされていく6回連続ドラマ。標高3,500mのドーム・ド・ラ・ローズ山の山頂を目指す。監督は、ワシのお気に入りドラマ『アストリッドとラファエル 文書係の事件簿』の監督を務めたフレデリック・ベルトで原作と脚本は全員女性らしい。イタリアとの国境の山岳風景がこれでもかというくらい出てくるのが気持ちがいい。空の深い青と白い氷河、グレーの岩肌の中を進んでいく。同行する二人のガイドと二人の男性客、10人で登山(ハイク)をするだけで、他愛ない会話やつまらない諍いをするのだが背景と音楽が良くて何故か見入ってしまう。山小屋の中も日本では考えられないくらい整備されていておしゃれだ。
カップルになって小屋中に響き渡る喘ぎ声にみんなが寛容なのも良い。都会の中で精神的に追い詰められて孤独に暮らすがん患者が登山でかけがえのない仲間になるという筋書き自身はあるあるだが、最後はよりよく生きるとはどういうことなのか問いかけてくるのがフランスドラマらしくて良い。こういうドラマは日本アルプスでは撮れないなぁとも思った。がんサバイバーを取り巻く環境は大変だがそれを無理せず普通に描くというのは自閉症捜査官をうまく描いてきたフレデリック・ベルト監督の手腕だと思う。
カップルになって小屋中に響き渡る喘ぎ声にみんなが寛容なのも良い。都会の中で精神的に追い詰められて孤独に暮らすがん患者が登山でかけがえのない仲間になるという筋書き自身はあるあるだが、最後はよりよく生きるとはどういうことなのか問いかけてくるのがフランスドラマらしくて良い。こういうドラマは日本アルプスでは撮れないなぁとも思った。がんサバイバーを取り巻く環境は大変だがそれを無理せず普通に描くというのは自閉症捜査官をうまく描いてきたフレデリック・ベルト監督の手腕だと思う。